アユミズム受講者専用の「書き直しトレーニング」5月分の講評です。

こんにちは。長谷川亜由美です。

5月のテーマは「脱!おかんメール」でした。

おかんメール、ご存じですか?
https://www.fusosha.co.jp/special/okanmail/

おもしろいだけならいいんです。

おもしろいだけなら、周囲をハッピーにさせますからね!笑

ただ、、、おかんのメールは、長くてわかりにくいし

何が言いたいのかピンと来ない。

子ども世代からは、不評でしょう。

アユミズムの教えに「相手が食べきれる量を、食べやすくして差し出すのがおもてなし」という言葉があります 。

たとえ気心の知れた家族間であっても、思いつくままに情報を詰め込んで送りつけるのは、読み手への「量の暴力」になりかねません。

そこで今回は、愛ゆえに情報が渋滞してしまった「おかんメール」を題材に

読み手の脳裏に一度も「?」を浮かばせないよう、書き直してみましょう!

おかんのメールは、なぜ脈絡がないのか?

おかんのメールがだらだらと長く、脈絡がないように感じられるのはなぜでしょうか。

理由はとてもシンプルです。

「脳内に思いついた順番のまま、書き起こしているから」です。

これはアユミズムで言うところの、典型的な「書き手の思い込みのまま書いている」状態。

自分の頭の中にある景色や文脈が、相手(読み手)にも100%そのまま見えていると思い込んでしまっている、甘えの構造です。

ですので、6W3Hが、抜けがち。

さらに、おかんの頭の中では、「三回忌の準備」も「折りたたみ傘の心配」も「タカシ君の結婚」も、すべて「我が子に伝えたい大切なこと」として同時に存在しています。

だから、脳内の引き出しからポロッと出てきた順番に、接続詞「あ、あと」「そうそう」で数珠繋ぎにして、そのまま相手のスマホへ投げつけてしまうのです。

しかし、自分の頭の中にある景色は、相手には見えていません。

本題(三回忌の必須情報)と、ただの雑談(親戚の結婚)を同レベルに並べられた読み手は、情報の優先順位がわからず、脳のメモリーを無駄遣いさせられることになります。

おかんメールを卒業する、つまりわかりやすい文章を書くということは、単に言葉を短くすることではありません。

自分の脳内を一度客観的に見つめ直し、「本題(必須)」と「補足(その他)」の引き出しをカチッと切り離して、相手が理解いしやすいように仕分け(構造化)してあげること。

わかりやすい文章とは、相手の脳内にしまいやすいように、あらかじめ情報が「分けられている」ことを指します。

このひと手間をかけることこそが、「読み手への親切」です。

・・・とはいえ、課題ではなく、本当に母親として子どもにメールをするとしたら、ついつい余計な心配をしてしまうでしょうね。笑

今回の課題で言うと「カレンダーにいれておいてね」とか「折りたたみ傘をもってきたほうが安心かも」などは、子どもからすれば余計なお世話です。

親だからこそ、いつまでも子ども扱いしてしまう部分も

おかんメールが長くなる要因のひとつではないかと、思います。

私も自分の息子相手なら、長男には「ネクタイ」なんかは言いません。スーツと言えば、ネクタイ。言わなくてもわかっているでしょと。

でも、次男相手なら、ネクタイが当然ではないので、やっぱり言ってしまうでしょうね。ヘタしたら、ノーネクタイで、のこのこやってくるでしょうから。

親とはいつまでたっても、世話を焼きたい生き物なのかもしれません。

書き直しの対象となる文章

お疲れ様。来月15日の三回忌の件だけど、11時からお寺で始まるから、15分前には本堂の入り口にいてね。

あ、そのあとお食事もあるから、一応伝えておくわね。

そうそう、当日の服装なんだけど、あんまり派手なのは親戚の手前良くないから、黒か紺のスーツにして。

ネクタイも忘れずにね。

それから、お供えのお花代として5,000円預かりたいんだけど、当日でいいから用意しておいてくれる?

あ、あと、従兄弟のタカシ君が結婚したから、もし会ったらお祝いの言葉をかけてあげて。

それと、当日はお天気が怪しいみたいだから、折りたたみ傘も持ってきたほうが安心かも。

お寺のあと、車を出すのはお父さんだから、帰りの足の心配はいらないわよ。

忘れないうちにカレンダーに入れておいてね。

書き直しの条件

  • チャットではなく、メールで送ることを想定する
  • メールの相手が誰だか、設定すること(家族なら子どもでも、兄弟でも誰でも良い)
  • 原文に含まれている情報のうち、三回忌について伝達すべき内容は削らない
  • 別段、なくていい情報は、削っても良い
  • 挨拶は入れなくても良い
  • できるだけ分量を少なくすること

提出順に紹介 

Aさん

来月15日の三回忌の件です。

10時45分 お寺の本堂入り口で待ち合わせ
11時開始

その後食事会

・服装について
黒もしくは紺のスーツ
ネクタイも忘れずに

・お花代5,000円を当日用意してください。

・折りたたみ傘を持ってきた方が安心です。

・帰りはお父さんの車で送ります。

・忘れないようにカレンダーに入れておいてください。

それでは当日遅れないように。

Bさん

サトシ、
こんばんは。

来月6月15日のトオル叔父さんの3回忌の件です。11時から読経の予定です。念のため、15分前には本堂の入り口にいるようにしてください。
読経後に軽く食事会があります。
以下、その他の注意点を伝えておきます。

・当日の服装/黒か紺のスーツでネクタイ着用
・お供えのお花代5,000円集めます。
・従兄弟のタカシくんに結婚のお祝いを伝える。
・当日の天気によっては折り畳み傘
・帰りはお父さん運転の車あり。

Cさん

件名:6月15日の三回忌について

6月15日の三回忌の内容送るね。

集合時間と場所
10時45分にお寺の本堂の入り口集合。
遅れないように!

服装は、黒か紺のスーツでネクタイも忘れずに。

お供えのお花代として、5,000円現金で用意しといて。

お昼ごはんは、法事後にみんなで食べる予定。

当日は天気が怪しいみたいだから、折りたたみ傘を持ってくるほうがいいかも。

帰りは、お父さんが車で送ってくれるって。

忘れないうちにカレンダーに書いといてな。

よろしく!

Dさん

ヒロシへ

【〇〇の三回忌の件】
〇月15日(〇)

・集合時間と場所
10時45分(11時開始)
〇〇寺 本堂入り口

・お花代として 5000円 用意してね
・服装は黒か紺のスーツとネクタイ
・昼食あり
・帰りはお父さんが車で送って行くよ

※忙しいと思うけど、忘れないようにね!

追伸
従兄弟のタカシ君が結婚したよ。
もし会ったらお祝いの言葉をかけてね。

母より

Eさん

件名:来月15日は三回忌だよ
本文:
忙しそうだから、要件だけ伝えるね。

・集合時間と場所:10:45、本堂の入り口
・日程:11:00始まり。その後、お食事
     ※帰りは、父さんが家まで送ってくれる
・服装:黒か紺のスーツにネクタイ
・その他:お供えのお花代として5,000円を用意してくる

以上、忘れないように!よろしくね!

Fさん

※メールの相手は息子です。

元気にしてる?
6月15日にやるお爺ちゃんの三回忌だけど、10時45分までにお寺の本堂入り口集合ね。

忘れないうちにカレンダーに書いておいてよ。

法事当日は黒か紺のスーツにネクタイ着用、お花代の5,000円も忘れずに。

お父さんが車を出すから、帰りは家まで送っていくわね。

それから従兄弟のタカシ君も来るから、会ったら結婚のお祝いを伝えてちょうだい。

模範解答

(想定:息子へのメール)

件名:6月15日・おばあちゃんの三回忌スケジュール

おばあちゃんの三回忌について、大切な連絡です。

【日時】6月15日(日)10:45集合(11:00開始)
【集合場所】東金市の西福寺 本堂の入口
【お花代】5,000円(当日集金)
【服装】黒か紺のスーツ、ネクタイ必須
※法要のあと、親戚一同で食事会があります。14時終了予定

忙しいところ悪いけど、準備をお願いしますね。
帰りは、お父さんが車で送っていくと言っていました。

<書き直しのポイント>

  • 結論から書く
  • 見出しを付けて箇条書き
  • 来月15日→きちんと月まで指定する
  • お寺の固有名詞も追加
  • いま言わなくていいよね、という情報の排除
  • そもそも、来月の話なのに、天気がわかるのかい!というツッコミもしつつ、傘のことなんか、言わなくても良い
  • タカシ君の結婚のことも、当日伝えても良い
  • などなど、ムダを徹底的に省く

5月のベストプラクティス賞

Eさんです!

一部、見出しと内容がマッチしない箇所はあるものの、必要最低限の内容にまとめられました。

「忙しそうだから、要件だけ伝えるね」という前置きが、とくに効果的です。

(ただし、この場合「要件」ではなく「用件」ですね)

おつかれさまでした!