第23回 全体講評(総合課題1)
今回のテーマはありません。総合課題1に取り組んでいただきました。
「今月はテーマがありません」と言われたとき、皆さんはどう感じましたか?
「どこから手を付ければいいんだろう?」と、いつも以上に頭を悩ませたのではないでしょうか。
どこに問題があるか、あらかじめわかっていれば、書き直すのはカンタンです。
ですが、世の中にある文章のほとんどは「ここが二重否定ですよ」「これが主述のねじれですよ」なんて教えてくれません。
目の前にある文章の「どこに違和感があるのか?」を自分で見抜き、適切な技術を取り出して整える。
それこそが、トレーニングを通じて身につけてほしい「書き直すチカラ」です。
今回の課題文に潜んでいた違和感の正体と、どこに着目して書き直していくのか、その考え方をひも解いていきましょう!
書き直しの手順
テーマがあってもなくても、同じですが、いきなり言葉をいじり始めてはいけません。
まずは「お医者さんが患者さんを診察する」ように、次の3つのステップで文章を観察します。
1.「誰に、何を、何のために書く文章か?」を特定する(文脈・出口の確認)
アユミズム(テキスト)のでも、「書く前に考える3つのこと」として出てきます。
誰に向けて書くか
何を書くか
何のために書くか
文章を書き始める前に、この3つを明確にすると、書き手も読み手も迷子になりません。
ここがボヤけていると、いくら言葉を綺麗にしても相手に届きません。
今回の文章で言えば、「講座を検討している人に向けて、講座の魅力を、安心して申し込んでもらうために書く」と、なります。
言い換えれば「この文章が、一番言いたいことは何か?」を、読み取ること。これが、書き直しのスタート地点です。
2.読み手の立場になりきって「引っかかり」を探す(ノイズの抽出)
書き手の都合を一度すべて忘れ、完全な「初見の読み手」として文章を読んでみます。
そのとき、次のような箇所があれば、そこは修正すべきポイント(ノイズ)です。
「えっ、どういうこと?」と立ち止まった箇所
「で、結局いくらなの?いつやるの?」と不安になった箇所
「なんか読むのが疲れるな」と感じた箇所
3.違和感を解消するための「道具(わかりやすく書く技術)」を取り出す
2で見つかったノイズに対して、これまで学んだわかりやすく書く技術から最適な道具を当てはめます。
- 一文が長くて疲れる → 「短文」「箇条書き」
- 売り手の都合ばかり語っている → 「読み手ファースト変換」
- 必要な情報が足りず不安にさせる → 「6W3Hを補う」
- 語尾が連続して退屈 → 「単調な語尾の卒業」
「どの技術を使おうか?」から考えるのではなく、「読み手のストレス(ノイズ)はどこか?」を見つける。
ここからスタートするのが鉄則です。
そうでないと、誰に、何を、何のために書くか?と、最終的にズレてしまいますので、いきなりこねくり回さないようにしましょう。
今回の課題文に潜んでいた「3つの罠」
今回の課題文には、大きく分けて3つの罠を仕掛けました。
これまでも、トラップは散りばめてあったので、気づくかなー?と思っていましたが、とくに「罠3」は、ちょっと油断なさったようですね!
罠その1:一文の長さ・語尾の単調さ・こそあど言葉
「〜となっておりますので、〜となっております」「こちらのフォーム」「そちらをご確認の上」など、一文の中にまどろっこしい接続詞、こそあど言葉、重複した表現がぎっしり詰まっていました。
ここは、わかりやすいトラップでしたよね。
罠その2:書き手目線の押し売り(読み手ファーストの欠如)
課題文冒頭の「非常に内容が盛りだくさんとなっており、売上アップや集客に効果がある手法を余すことなくお伝えさせていただく内容となっておりますので……」という部分。
これはすべて「私が教えたいこと(売り手目線)」です。
これを「本気でビジネスを変えたいあなたへ」「売上アップや集客の手法が学べる講座です」と、「読み手が手に入れられる未来(主語の転換)」へひっくり返せたかどうかが大きな分岐点でした。
罠その3:最大のトラップ「読み手に不安と手間を強いる動線」
原文の後半に、こんな一節がありました。
「受講料のお支払い方法や開催日程などの詳細に関しましては、お申し込みいただいた後に送られる自動返信メール内に記載されております」
これが今回の最大のトラップです。
読み手からすれば、「いつ開催されるのか」「受講料はいくらなのか」が分からないままフォームに個人情報を入力して申し込むのは、強い不安や警戒心を抱きます。
これは「確認の手間」を相手に丸投げしている、もっとも不親切な状態です。
「詳細はフォームの前に提示してあげる」という構成にするだけで、読み手への安心感とおもてなしは劇的に変わります。
アユミズムの根幹は「文章は読み手のもの」という考え方にありますので、書き手の思い込みよりも、読み手の脳内を想像していくことが、非常に重要です。
書き直し対象の文章
今回ご案内させていただく新講座につきましては、非常に内容が盛りだくさんとなっており、売上アップや集客に効果がある手法を余すことなくお伝えさせていただく内容となっておりますので、本気でビジネスを変えたいと思っている方には大変おすすめとなっております。なお、お申し込みにつきましては、こちらのフォームよりお手続きを行っていただけますが、定員に達し次第締め切らせていただく場合が御座いますので、なるべくお早めにお申し込みいただけますようお願い申し上げます。また、受講料のお支払い方法や開催日程などの詳細に関しましては、お申し込みいただいた後に送られる自動返信メール内に記載されておりますので、そちらをご確認
の上、お手続きを進めていただけますようお願いいたします。
書き直しの条件
- 文脈は変えないこと
- 文章は長くても短くても良い
- これまでにトレーニング済みの技術は、遠慮なく使う
みなさんの書き直しを紹介&各自の振り返りコメント付き
全体を通して、だらだらとした悪文をそのまま放置せず、自分の頭で「どうすれば伝わるか?」を組み立て直す力がにしっかりと根付いていることを実感しました。
提出順に紹介します。
Aさん
矢印(↓)を使ったステップ化や、定員6名という具体的な数字の補完が見事でした。
【新講座のご案内】
この度、新講座を開催いたします。
現在、講座内容の最終チェックを行っていますが、自信をもっておすすめできる内容に仕上がっております。この講座はこんな方におすすめです。
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自動返信メールに記載されている開催日程をご確認の上、受講料のお支払いをお願いいたします。※定員6名となります。お早目にお申し込みください。
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それでは新講座でお会いできるのを楽しみにしています。●書き直す際に、意識した技術
一文を短くした。
箇条書きにした。
同じ語尾が続かないようにした。
チャンクで分けて見やすくした。
Bさん
冒頭の「本気でビジネスを変えたい方へ」というキャッチーな呼びかけと、番号付き箇条書きの整理がシャープです。
本気でビジネスを変えたい方へ
新講座のご案内です。この講座では、売上アップや集客に効果がある手法を余すことなくお伝えします。
内容も盛りだくさんで非常にオススメです!??お申し込み方法
下記のフォームよりお手続きください。
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定員に達し次第、締め切らせていただく場合がございます。
お早めにお申し込みいただけますと幸いです。詳細は、お申し込み後に送られてくるメール内に記載しています。
1.開催日程
2.受講料
3.お支払い方法ご確認の上、お手続きを進めてください。
よろしくお願いします。●書き直す際に、意識した技術
・結論から書いた
・一文を短くした
・語尾が続かないように気をつけた
・箇条書き
Cさん
「2026年10月スタート予定」と時期を具体化し、こそあど言葉をきれいに排除されていました。
2026年10月よりスタート予定の新講座についてのご案内です。
本気でビジネスを変えたいと思っている方には大変おすすめの内容となっております!
主に取り上げる最重要な内容は以下の二つ。・売上をアップさせるには?
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●書き直す際に、意識した技術
こそあど追放
箇条書き
結論から書く
短文にする
具体的に書く
漢字をひらがなに
単調な語尾卒業
Dさん
「こんなお悩みありませんか?」から「実践後の未来」を対比させ、受講生のベネフィットを鮮やかに描き出しました。
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受講料・お支払い方法・開催日程などの詳細は、自動返信メールに記載されております。○お手続きについて
詳細を確認後、手順に沿ってお手続きを完了させてください。●書き直す際に、意識した技術
・できる限り文を短くした。
リズム良く読み進めるため
・箇条書きで伝える
分かりやすく伝えるため
・結論→理由→結論
受講する理由を伝えるためと、実践後にどんな結果が手に入るかイメージさせるため
Eさん
原文の売り手目線を「本気でビジネスを変えたいあなたへ」と、見事に読み手主役へひっくり返す視点転換が抜群でした。
本気でビジネスを変えたいあなたへ。
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受講料の支払い方法や開催日程などの詳細は、登録後に届く自動返信メール内に記載されています。
自動返信メールで詳細を確認していただいた後、手続きを進めてください。
定員に達し次第、締め切りますので早めにお申し込みくださいね。
●書き直す際に、意識した技術
・ワンセンテンス・ワンメッセージ
・長文を短文にする
・読み手ファースト変換
模範解答
といっても、今回は、様々なケースの模範解答が考えられます。
私なら・・・という書き直し文を、掲載しておきますね。
【新講座のご案内】売上・集客を伸ばす実践ビジネス講座
本気でビジネスの流れを変えたい方へ。 売上アップと集客に直結する最新ノウハウを、余すことなく学べる新講座を開講します!
◆講座の特徴
・事例紹介ではなく、ご自分のビジネスに置き換えたワーク付きです
・講座中に、あなたの集客ボトルネックがわかります
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◆ こんな方におすすめ
・集客の導線を見直したい方
・売上を安定して伸ばしたい方
・自己流のビジネスから抜け出したい方
◆ 講座概要
・開催日程:2026年9月15日(火)13:30〜15:30
・受講方法:オンライン / Zoomを使用します
・アーカイブ:ありません
・受講料:定価13,200円 → 11,000円(税込)※メルマガ読者限定割引
・お支払い方法:クレジットカード / 銀行振込
・定員:先着6名様(定員に達し次第、締め切ります)
◆ お申し込み方法
以下のフォームに必要事項をご入力のうえ、送信してください。 https://example.com/form
※送信後、確認の自動返信メールが届きます。
お席の確保はお早めにどうぞ!フォームは定員に達すると、自動でクローズします。
書き直しのポイント
- 冒頭で「誰のための、何の講座か」を宣言(結論ファースト・読み手目線)
- 項目ごとに見出しと箇条書きでシンプルに(チャンク化と箇条書き)
- 「こんな方へ」で自分事化させる(ターゲットの明確化)
- 受講料・日程・定員を申込み前に明記(6W3Hの補完・読み手の不安解消)
- 申込み手順と注意点を簡潔に提示(スムーズな出口への誘導)
文章を書く力とは、小手先のテクニックの数ではなく、「読み手への想像力(おもてなし)」そのものです。
自分の書いた文章を前にしたとき、「初見の読み手はどこで迷うだろう?」「どう並べ替えたら一番気持ちよく読めるだろう?」と一歩立ち止まる癖を、ぜひこれからも大切にしてくださいね!
さぁ、いよいよ次回は、最終課題です!
今回の講評を、じっくり読んでから、取り組んでほしいと思います。
