アユミズム受講者専用の「書き直しトレーニング」4月分の講評です。
こんにちは。長谷川亜由美です。
4月のテーマは「6W3Hを補う」でした。
6W3Hとは、情報を漏れなく伝えるための有効な手段。
構成要素は、次のとおりです。
Who(誰が)
Whom(誰に・誰と)
What(何を)
When(いつ)
Where(どこで)
Why(なぜ)
How(どのように)
How many(どのくらい/規模・数量)
How much(いくらで/費用)
チェックリストとしても使えますので「うっかり」を予防できます。
6W3H が欠けている文章は、仕事のスピードを停滞させる、もっとも不親切な書き方です。
本当に必要な情報を伝えられていないため
相手に「確認の手間」というコストを支払わせることになります。
怖いですね。
そこで「情報が断片的で、次のアクションに移りにくい文章」を用意しました。
読み手が一切の迷いなく動けるよう、不足している6W3Hを想像して補い
さらに、これまで取り組んできた「わかりやすい文章」の技術を使って
書き直しましょう!
「相対的な言葉」は、ビジネスでは「ノイズ」です
「先ほど」「以前」「明日」「すぐ」
これらはすべて、書き手と読み手との間に、時差や解釈のズレを生む「不親切な言葉」です。
誰が読んでも解釈をひとつにすること。
誤解を生まないためにも、この意識が大切です。
逃げ道をつくらない
特にお金や納期の交渉において、日本人は曖昧な表現でカドを立てないようにしがちです。
しかし、ビジネス文章においてそれは「相手に判断を丸投げする無責任」に繋がります。
「10%削減」「単価900円」と、こちらから具体的な「数値基準」を提示することが大切です。
責任の所在を最後まで追いかける
「進めておいてください」「共有します」と言ったとき、その主体(Who)は誰ですか?
主語を曖昧にすると、組織は一瞬で思考停止に陥ります。
「佐藤さんが」「私が」と、責任の所在を明確にしましょう!
「自分の頭の中」は相手に見えていないと自覚する
私たちは無意識に「これくらい言わなくてもわかるだろう」という甘えを持ってしまいます。
しかし、自分の頭の中にある「いつものあの件」は、相手にとっては「数ある仕事の中のひとつ」に過ぎません。
「自分と相手の見えている景色は違う」という前提に立ち、その溝を埋めるために6W3Hという橋を架ける意識を持ってください。
「相手に計算をさせない」のが最高のホスピタリティ
「3日後」「来週」「少し安く」
これらの言葉を投げられた相手は、カレンダーを見たり、電卓を叩いたり、あるいは「どれくらい安くなるかな?」と推測したりする「作業」を強いられます。
相手の脳のメモリーを無駄遣いさせないこと。
1)プロジェクト編
書き直しの対象となる文章 原文
先ほどの上層部への報告会議を受けまして、本プロジェクトの予算配分について一部見直しの指示が出ております。
つきましては、構成案の再考とあわせて、関係各所への再調整を進めておいてください。
追って詳細を共有します。
提出順に紹介
Aさん
先ほど、チーム上層部への報告会議を受けまして、本プロジェクトの予算配分について一部見直しの指示が出ております。 つきましては、構成案の再考とあわせて、関係各所への再調整を各自進めておいてください。 追って詳細を明日12時までに共有します。
Bさん
佐藤健二さん
お疲れ様です。ABCプロジェクトチームの田中圭介です。
先ほど行われた上層部への報告会議を受け、本プロジェクトの予算配分について「開発コストの削減」の指示が出ました。
これに伴い、佐藤さんにお願いしたいことが2点あります。
1.構成案の修正
2.関係各所への調整具体的な進め方を整理しました。
以下、メール本文をご確認ください。1. 構成案の修正
1-1.予算配分について
開発コストを削減し、発売後のマーケティング予算へ回すため。総予算1,000万円のうち、15%(150万円)を削減し、850万円以内に収めてください。
1-2.構成案の再考
現在の構成案から、「機能C」の工程を削除して再構成してください。2.関係各所への調整
本日(4月10日)中に、下記の2社に「再見積もり」の依頼連絡を入れてください。・A製作所(プロジェクト担当:鈴木太郎氏)
「機能C」を削除後の減額再見積もり・株式会社B(デザイン担当:幸田ゆめこ氏)
パースデザイン提出枚数変更 20枚→15枚3.期限と提出先
本日18:00までに、2社の連絡結果を私(田中)に電話(内線111)で連絡すること。修正案の締切:4月15日(水)15時まで(厳守)
提出方法:A4サイズに印刷し、クリアファイルに入れ、私(田中)の席まで、持参してください。
以上です。
本件、上層部からの案件につき、最優先で進めていただけますと幸いです。
不明点や質問などがあれば、何なりとお聞きください。
よろしくお願いいたします。
Cさん
プロジェクト報告会議で、予算配分の一部見直しの指示が上層部よりありました。
まずはプロジェクトを先に進めないように、関係各所への連絡をすぐにお願いします。
追って????より、プロジェクト報告会議の詳細をプロジェクトメンバーに共有します。
プロジェクト報告会議の詳細が共有され次第、以下の内容に取り掛かってください。
1 プロジェクト構成案の再考
2 関係各所への再調整よろしくお願いいたします。
模範解答
<書き直しのポイント>
- 結論から書く
- 箇条書きにする
- 6W3Hを補う
- 【When:いつ】先ほど
- 【What:何を】本プロジェクト
- 【Why/How much:なぜ・いくら】予算配分の一部見直し
- 【Who/Whom:誰が・誰に】関係各所への再調整を進めておいてください
- 【When:いつまでに】追って詳細を共有します
AI自動翻訳アプリ開発プロジェクトの予算削減に伴う「修正案の作成」が必要になりました。最後までお読みください。
以下2点、4月17日(金)17時までに、対応を完了させてください。
- 構成案の再構築(担当:佐藤) SNS広告費を削減し、インフルエンサー施策を主軸とした構成へ変更
- 外注先への打診(担当:鈴木) 制作会社テックワークスへ、予算減額の可能性を打診し、再見積もりを依頼
【背景と詳細】
本日10時の役員会議を受け、AI自動翻訳アプリ開発プロジェクトの予算を10%(500万円)削減することが決定しました。
この決定に至った背景や、削減対象項目の優先順位などの詳細資料については、本日15時までに、私からチャットワークにて共有いたします。
次回4月30日(木)10時からの定例会で、改定案を私から発表します。
2)見積もり&発注編
書き直しの対象となる文章 原文
以前お話ししていた件ですが、正式にお願いしたいと考えています。
納期については柔軟に対応いただけますでしょうか。
また、お見積りに関しても、前回の内容をベースに少し調整をお願いできると助かります。
着手いただけるタイミングを教えてください。
提出順に紹介
Aさん
Bさん
森昌美様
いつも大変お世話になっております。
中森明子です。以前お話ししていた「ブログの代理投稿」の件ですが、ぜひとも森様にお願いしたくご連絡いたしました。
新案件の準備に集中したく、森様にサポートいただけますと大変心強いです。
それにあわせスムーズに着手いただけるよう、今回の依頼内容と条件をまとめました。
お見積もりの金額調整を含め、ご確認ください。1. 依頼内容
私のブログへ代理投稿をお願いします。
合計件数:10記事・私が作成した「下書き文」を正書・投稿(5記事)
・過去の人気記事を再編集して投稿(5記事)文章の改行調整、文字装飾(画像は私の方ですべて用意いたします)
2. 納期とスケジュール
着手日/完了日:4月20日(月)~4月30日(木)
期間中、1日1記事投稿。予約投稿可。3. お見積りについて
前回は1記事あたり3,300円でしたが、今回「10記事まとめての発注」かつ「画像をこちらで準備する」という形にさせていただきます。つきましては、1記事あたり3,000円(総額30,000円)でお願いできればと考えております。
ご検討いただけますと大変助かります。4. 今後の流れ
金額と納期にご了承いただけましたら、すぐにログイン情報と下書きリストをお送りし、正式に発注とさせていただきます。こちらの希望としては、4月20日(月)から着手していただけるとありがたいのですが、森様のご都合はいかがでしょうか?
もし、調整が必要な場合は、対応いたしますので、遠慮なくおっしゃってください。
お忙しいところ恐縮ですが、ご確認とご返信をお待ちしております。
よろしくお願いいたします。中森明子
Cさん
いつもお世話になっております。
先日お問い合わせした扇子の発注を正式にお願いしたいと考えております。つきましては、受注金額と納期について以下のようにご相談させていただきたいと思っております。
【オリジナル扇子】
・数量 200本・受注金額 要相談
→見積もり金額は1本1,000円(50本ロット)とのことでしたが、今回200本注文いたしますので、1本の単価を少し安く抑えることは可能でしょうか。・納期 要相談
→6月15日(月)に一括納品していただけると助かります。こちらの要望をご検討いただき、受注していただけるかどうかを4月20日(月)までに、????宛にご連絡いただけないでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。
模範解答
<書き直しのポイント>
- 結論から書く
- 箇条書きにする
- 正しい敬語を使う(間違った言い回し→着手いただけるタイミング)
- 6W3Hを補う
- 【When:いつ】【What:何を】以前お話ししていた件
- 【When:いつまでに】納期については柔軟に対応いただけますでしょうか
- 【How much:いくら】少し調整をお願いできると
- 【Who:誰が】着手いただけるタイミング
- 【How:どのように】教えてください
発注前の確認事項をご連絡いたします。
3月25日(水)に相談した、WEBサイト「ライティングの羅針盤」用のコラム執筆を、正式に依頼することに決定しました。
つきましては、下記条件にて進めていただくことは可能でしょうか。
- 内容: 特設ページ掲載用コラム(1本3,000文字程度)×5本
- 納期: 5月20日(水)18時まで
※最終納期は上記ですが、もし前倒し可能でしたら、5月15日(金)に受け取れると、確認作業に余裕ができて、より助かります。可能であればお願いします。 - 費用: 総額90,000円(税込)
※前回の単価は2万円でしたが、5本まとめて依頼しますので10%のボリュームディスカウントをしていただくことは可能でしょうか。 - 納品方法: 弊社指定のGoogleドキュメントへ納品
上記内容で合意いただける場合、4月17日(金)12時までに、メールにてご返信ください。 あわせて、着手可能日も教えていただけますでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。
4月のベストプラクティス賞
今回は、提出数が少なかったので、選出なし!とします。
