アユミズム受講者専用の「書き直しトレーニング」1月分の講評です。

こんにちは。長谷川亜由美です。

1月のテーマは「専門用語を読み手の言葉に変える」でした。

専門用語は、使い慣れている人にとっては便利ですが、

読み手によっては、意味が分からないまま読み進めることになります。

すると、内容以前に、読むこと自体をあきらめてしまうことも。

どんなにいい内容でも、読まれなければ意味がありませんよね。

そこで今回は、専門用語を使わずに伝える練習をします。

書き換えサンプル

まずは、サンプルをご覧ください。私の業種(ホームページ制作)のケースです。

【専門用語あり】

WordPressを用いたCMS構築により、更新性と拡張性を確保しながら、レスポンシブ対応のデザインを提供します。
あわせて、ホームページとSNSを連携させ、流入経路を分析しながらコンバージョンにつながる導線を構築します。

【専門用語なし】

専門知識がなくても内容を追加・修正できる仕組みでホームページを作り、スマートフォンでも見やすい表示に対応します。
さらに、ホームページとSNSを行き来しやすく整え、どこから来た人が問い合わせにつながったのかを見ながら、申し込みまでの流れを整えます。

書き換えの前にやっておくこと

いきなり、書き換えようとしても、当然うまくいきません。

ご自分の手順と比較してみてください。

  1. 何が言いたいか、結論を探す
  2. 何のために書く文章か、目的を明確にする
  3. 何が専門用語か、抜き出す
  4. 専門用語の正しい意味・解釈を調べる(思い込みはNG・確認重要)
  5. 一文を短くできるか、箇条書きにできるかチェックする

提出した方の傾向を見ると、ただただ専門用語を書き換えることに必死で、その他わかりやすく伝える技術や、アユミズムの根幹である「文章は誰のものか?」を忘れてしまっているようでした。

書き直しトレーニングは、問題に取り組むだけでなく、全体的にわかりやすいか?を、常に念頭におきましょう。

いくら正しくても、伝わらなければ意味がありません。

まして、保険の販売員の場合、保険が売れることが目的ですよね!

売れるためには、いかに相手が自分ごととしてとらえるか。

誰に、何を、何のために書くのか。

その意識が、とっても重要でした。

課題に取り組んだ方からの感想

今回は専門用語がわからな過ぎて、そのことだけで精一杯な感じになってしまいました。

課題なのでわからない言葉は調べて文章を書き直しましたが、読み手として専門用語だらけの文章を目にしたとしたら、最後まで読もうという気は起こらなかったと思います。

わからない専門用語が出てくると思考停止状態になりますね。
読み手の気持ちもわかりました。

他の分野の専門用語だらけの文章を書き直してフィードバックしてもらえる機会はそうそうないので、今回体験できてよかったです。

Eさん、ご感想ありがとうございます。

私も、読む気にならないほど、複雑怪奇な文章でした。笑

自分が書き手の立場になったときは、できるだけ専門用語を優しく書き直したいものですよね。

模範解答

書き直しの対象となる文章(1)原文

本商品は掛け捨て型の定期保険で、保険期間満了時には満期金はありません。一定期間の死亡保障を重視する方向けです。収入保障保険は、被保険者が死亡した場合、年金形式で保険金が支払われます。生活費を安定的に確保する目的で設計されています。

書き直しの対象となる文章(1)模範解答

30代から40代。働き盛りのころに自分が死亡したら、残された家族の生活はどうなるのか、不安ではありませんか?

そんな不安を安心に変えるのが、本商品「収入保障保険」です。

死亡時には、ご家族に毎月お給料のように保険金をお支払いします。

【お支払い可能な条件】

  • 保険加入期間内に、被保険者(ご本人様)が死亡

【お支払いする金額とお支払い方法】

  • ●●円を、●年に渡り毎月の分割払い

※契約時の年齢が25歳の場合です

【注意事項】

保障は一生涯ではなく、働き盛りの●年間だけです

保険契約が満了しても、満期のお祝い金や、払戻金はありません

死亡時に一括でお支払いする死亡保障はありません

書き換えのポイントを解説

  • 「自分事」の問いかけから入る
    「30代から40代」「働き盛り」と対象を絞り、家族の未来への不安を具体化することで、読み手の意識を文章に向けさせています。
  • 「お給料のように」と役割を明確にする
    「年金形式」という言葉を使わず、生活を支えるお金であることを直感的に伝えています。
  • 事実を隠さず、正確に提示する
    「お祝い金はない」「一生涯ではない」といった、読み手が勘違いしやすい条件を、箇条書きでもれなく、はっきりと伝えています。これにより「掛け捨て型の定期保険」という専門用語が不要です。
  • 項目立てで視認性を高める
    <条件><方法><注意事項>と整理することで、どこに何が書いてあるのか一目で分かるようにしています。

書き直しの対象となる文章(2)原文

この保険は免責期間が設定されており、就業不能状態が一定期間続いた場合に給付が開始されます。短期の休業は対象外となるため、加入前に条件を確認することが重要です。

書き直しの対象となる文章(2)模範解答

病気やケガで働けない期間を支える保険はいざというときに安心ですが、一つだけ大きな注意点があります。

それは、「仕事を休みだしてから●日間は、保険金が支払われない」という条件です。これを「免責期間」と言います。

「免責期間」を知らずに保険を契約しないよう、注意が必要です。

<ここを必ず確認してください>

  • 「何日目から」保険金が支払われる契約になっていますか?

書き換えのポイントを解説

  • 「安心」と「注意」をセットで伝える
    保険の役割に触れつつ、すぐに「注意点」へ繋げることで、重要な情報(免責期間)への注意力を高めています。
  • 「実態」を先に、「名前」を後に教える
    「●日間は支払われない」という中身を先に伝え、その後に「これを免責期間と言います」と繋げることで、専門用語がすんなり頭に入るようにしています。
  • 確認すべきポイントを絞り込む
    「何日目から支払われるか」という、読み手が最も確認すべき一点を問いかけることで、具体的な行動(チェック)を促しています。
  • 一文を短く、言い切りにする
    「注意が必要です」「支払われないという条件です」とはっきり言い切ることで、誤解の余地をなくしています。

提出順に紹介 (1)

原文

本商品は掛け捨て型の定期保険で、保険期間満了時には満期金はありません。一定期間の死亡保障を重視する方向けです。収入保障保険は、被保険者が死亡した場合、年金形式で保険金が支払われます。生活費を安定的に確保する目的で設計されています。

Aさん

この商品は定期保険と言って、10年、20年など、あらかじめ期間を決めて、その期間を保証する内容の生命保険になります。
保険期間が終了する時に受け取れる満期金は無く、掛け捨て型の保険になります。
でも、保証が一生続く終身保険に比べて支払いが割安になっていて、生活費の負担を減らし安心して暮らせるように作られています。
被保険者つまり加入者ご自身が死亡した場合、保険金を年金のように毎月受け取れる収入保障保険になっているので、
例えば、お子さまが独立するまでなど、万が一にも自分が死亡したときの保障を決まった期間だけ求める方に合った保険になります。

Bさん

本商品は掛け捨て型の定期保険で、保険料の支払いが終わる時、保険会社から振り込まれるお金はありません。

一定期間の死亡保障を優先したい方向けです。

毎月お給料のように受け取れる収入保障保険は、被保険者が死亡した場合、
毎年一定額を分割して年金のように保険金が支払われます。

毎月決まった金額が支払われるので、生活費を安定的に保証する目的で設計されています。

Cさん

本商品は預金型ではない掛け捨て型の定期保険で、保険期間が終了しても返還される満期金は発生しません。一定期間内の死亡保証を重視する方向けです。収入保障保険は、保険がかかっている本人が死亡した場合、生活費として保険金が毎月支払われます。生活費を安定的に確保する目的で設計されています。

Dさん

この商品は契約期間中のみ保障が続く保険で、保険期間が終わっても払い戻しはありません。一定期間だけ死亡したときの備えを重視される方向けです。収入保障保険は、保険に加入している人が亡くなった場合、毎年決まった金額が支払われます。生活費を安定的に確保できるよう作られています。

Eさん

この保険は、万が一の時に生活費を残すための商品で、支払い期間が決められています。

保険期間終了時に保険をかけた方が生存していた場合、支払われるお金はありません。

万が一の時、受け取り人に安定した生活費を残したい方向けです。

契約期間中に保険をかけた方が亡くなられた場合、受け取り人は決められた金額を毎月受け取ることができます。

毎月、決められた金額が受け取れるため、受け取り人に安定した生活費を残すことができます。

提出順に紹介 (2)

原文

この保険は免責期間が設定されており、就業不能状態が一定期間続いた場合に給付が開始されます。短期の休業は対象外となるため、加入前に条件を確認することが重要です。

Aさん

この保険では、もしお仕事ができない状態が一定の期間続いたとしても、給付金つまり生活を支えるお金を、受け取ることができます。
ただ、免責期間といって給付金を受け取れない期間が設けられています。
例えば、お仕事ができない状態が短期間の場合は給付金はありません。
そのため、保険にご加入の前に、加入条件を確かめることがとても大切になります。

Bさん

この保険は、保険金や給付金の支払いを免除される期間が設定されています。
この期間中に、病気やケガが原因で仕事ができない状態が一定期間続いた場合に給付が開始されます。短期の休業は対象外となるため、保険に加入する前、必ず条件を確認することが重要です。

Cさん

この保険は、保険料金が一定期間免除される免責期間が設定されており、働くことができない状態が一定期間続いた場合に保険金支払いが開始されます。短期の休業は対象外となるため、加入前に条件を確認することが重要です。

Dさん

この保険には保障が受けられない期間があり、働くことのできない状態が一定期間続いた場合にお金の支払いが始まります。短い期間の休業は対象にならないため、加入する前に具体的な日数を確認するよう気をつけてください。

Eさん

この保険は、決められた一定期間が過ぎなければ適応されません。

決められた一定期間以上、働くことができなくなった場合に保険金が支払われます。

働けなかった期間が短い場合には、保険金が支払われないので、契約する前に保険が適応される条件を必ず確認してください。

専門用語に準ずる言葉

以下に紹介するのは、専門用語ではないものの、曖昧な単語であり、誤解を生む原因になる言葉です。

曖昧にしておくのは、ときに優しさでもありますが、誤解を生みたくないときは、使わないほうがいいですね。

曖昧語を具体的に書き換えたリストを提示します。

1. 行為がぼやける言葉

対応 → 電話で事情を説明する/書面で回答する
処理 → 申請書を受理して保管する
実施 → ○月○日に作業を行う
運用 → マニュアルにそって日次で確認する
管理 → 担当者が一覧表で進捗を確認する
取り扱い → ○○として受け付ける/対象外とする

2. 判断を先送りする言葉

検討 → A案とB案を比較し、○日までに決める
調整 → 日程を○日に変更する
確認 → 書類の内容を目視でチェックする
配慮 → 事前に説明の時間を設ける
対応可否 → 実施する/実施しない
対応予定 → ○月○日に実施する

3. 内容が特定できない言葉

措置 → 利用を停止する
対策 → 手順を一つ追加する
改善 → 作業工程を三つから二つに減らす
是正 → 誤りを修正し、再提出してもらう
対応方針 → ○○の場合は△△する

4.範囲や基準が曖昧な言葉

適用 → ○月○日以降の申請に限って使う
原則として → 例外はAとBのみ
一定程度 → 全体の約七割
一部 → 全体のうち○件
必要に応じて → ○○の場合に限る

5.人や責任が見えない言葉

関係各所 → 営業部と総務部
関係者 → 担当者AとB
所管 → ○○課が担当
連携 → 週一回ミーティングを行う
共有 → 資料を全員にメール送付する
周知 → 社内掲示とメールで知らせる

6.態度や速度をぼかす言葉

速やかに → 本日中に
適切に → マニュアルどおりに
慎重に → ダブルチェックを行う
総合的に → 価格と納期の二点で判断する

1月のベストプラクティス賞

今回は、選出なしとさせていただきます。

難しかったからなのか、年始でお忙しかったのかわかりませんが

ご提出が少なかったですしね!

次回から、課題だけに取り組むのではなく

全体的にわかりやすく書き直せているか? という視点を持ってみてくださいね!

練習なんですから、ちっちゃくまとまらず、大胆にいきましょう!

おつかれさまでした。